カフェに暮らそう。福岡、白系フローリングのロフトつきルームまとめ
なるべく生活感を感じさせないような、カフェのようなお部屋に暮らしたい、そんな方へ。今、一人暮らしの新定番になっているのが、「白系フローリング」×「ロフトつき」のお部屋。ロフトスペースに布団や荷物をまとめることで、LDKは人を招きやすい、物の少ない空間に。それに、白系の内装のお部屋なら、カフェ風インテリアがよく映えます。オススメのお部屋をまとめてみました。…
車のない時代、人々の交通、それに物資の輸送を支えてきた都市河川。
東京なら日本橋、大阪は北浜など、水に近いエリアは超一等地でした。
高度成長期の汚染から背を向けられるようになってきた水辺を、いま、再生させようとする取り組みが各地で行われています。
今まで知らなかったけど、楽しくて、便利で、おもしろい。「水辺」を中心に街の魅力を再発見してみませんか。
グッドルーム水辺部は、水辺のリノベーションを「ミズベーション」と勝手に名付け、勝手に応援。
第1回は、大阪の「北浜テラス」にスポットを当てます。
(田村美葉)
大阪は水の都。歴史的に重要な近代建築の建ち並ぶ中之島に、おなじみの道頓堀。
江戸時代には天下の台所といわれた大阪を支えたのも、都心部に口の字のようにめぐらされた「水の回廊」を通じた水運だった。
今も、川沿いの遊歩道は人でいっぱい。夜には橋がライトアップされた美しい夜景が望め、カヤックにパドルボードなど、川に親しむアクティビティも盛んに行われ、水辺は賑わいに満ちている。
でも、少し前の大阪を知る人なら、こんな今の水辺の様子に驚くかもしれない。
夕刻の中之島。ここからライトアップが始まる。
道頓堀は水際の遊歩道も整備され、たくさんの船が行き交う大阪観光の目玉スポット。
中之島の南側、土佐堀川や、上を高速道路でふさがれた東横堀川を船で行くと、川に面した建物の「窓」の少なさに気づく。
水辺好きの私としては、せっかく開けたスペースがあるのに、大きな窓もテラスもなく、もったいないなぁ〜なんて思うのだけど、高度経済成長期に工場排水や生活排水が流れ込んだ川は、「汚いもの、臭いもの」として「そこに存在しないことにしてた」時代がつい最近まであったのだ。
そんな大阪の水辺を再生しようと始まった、水都大阪という取り組みがある。2009年の初開催のイベントのときにこれを体験して、私はすっかり大阪の水辺の虜になってしまった。
「水辺部」などと名乗って、やたらと水辺のスポットや活動に凝り出す要因は、このイベントにある。
今ではなんだか懐かしいが、いかにも大阪っぽいポスターなどが当時ありました。
2009年の夏、どこからかウワサを聞きつけて訪れた大阪では、堂島川、土佐堀川にはさまれた中之島エリアを中心に、水辺に人を誘うため街全体に仕掛けられたアート作品の展示や、マルシェや水辺にちなんだワークショップなど多彩なイベントが開催されていた。
開催初日ぐらいの勢いで勇んで駆けつけてしまったがために、まだ形になってないプロジェクトやら、始まってない展示やらも多く全貌が掴みきれなかったという誤算もありつつ、「水辺をこれから変えていくぞ!」という意気込み、ふだんスポットライトの当たっていない場所を盛り上げる心意気なんかがひしひしと伝わってきて、とても興奮したのを覚えている。
水都大阪2009といえば、いまやいろんな場所でひっぱりだこの巨大ひよこが日本初上陸(水に浮かんでるが)したことでも話題になったのだが、私が訪問した時期は早すぎてひよこには会えなかった。ただ、大好きなアーティスト、ヤノベケンジさんの各種展示が街中にいっぱい。「ラッキードラゴン」というこの作品は、実際に乗って大阪の水辺をクルーズすることもできた(やっぱり時期尚早で私は乗れなかったけど)。
いまでは当たり前となった堂島川の橋梁ライトアップもこの年に始まってるのだ。
この「水都大阪2009」をきっかけに生まれた、私が大阪でもとっても大好きなスポットがある。
それが、中之島公園を対岸から眺める川床、「北浜テラス」だ。
京阪本線の北浜駅〜淀屋橋駅間。
川を渡って対岸には大阪市役所、中央公会堂があり、大阪随一の金融街として現在も経済の中心地。
ただし、川沿いに建つビルの入り口は当然だが川側ではなく、道路側。裏にまわっても、高いコンクリートの防潮堤で水辺との距離は遠く、せっかく水辺に面しているのにスペースはまったく無駄になっていた。
そこで、京都の鴨川沿いでも見られる「川床」の構造が大胆に導入されたのだ。
ででん、これがその「北浜テラス」。堤防の上にテラスが張り出してる!
北浜テラスの何が画期的かというと、堤防は大洪水などの災害から人家を守る、大切な役割をもった構造物。勝手に壊したり、勝手に占有したりは法律によって厳しく制限されている。だから、すぐ隣のビルのオーナーであるといっても、勝手に堤防の上で何かしたりすることはできない。
ここにテラスを作るには、行政や、街全体を巻き込んだプロジェクトとして、それを進める必要があったのだ。
川床の取り組みは大成功、一箇所や一定の期間だけイベント的に使われるだけじゃなく恒常的なものとして、「川床」に参加するオシャレで粋なお店はどんどん増えてきている。価値再生や歴史的な意味合いももちろん大事だけど、それよりもまず、「商売」として成り立つとわかったら、ぞくぞくと広がっていくのだ。大阪の水辺の素敵なところって、そこだと思う。
水都大阪の取り組みに早くから参加され、川でのアクティビティを推進している日本シティサップ協会の奥谷さんに、
「最近、朝川を漕いでるとね、テラスで朝ごはん食べてる人が見られるようになって。すごく美味しい朝ごはんを出すお店ができたみたいなんですよ」
と伺って、たどり着いたのが、NORTHSHORE CAFE&DINING。
平日朝だったが、店内にはコーヒーを片手に充実の朝時間を楽しむひとたちでいっぱい。
どきどき、テラス席への扉を開けると……
川越しに眺める中之島公園はちょうど薔薇が満開。まさに都会のオアシス。
水辺でいただく完璧な朝食である。
青果店「ハナフル」プロデュースのカフェ&ダイニング。
野菜や果物をたっぷり使ったヘルシーなメニューが大人気。
早朝から営業しており、果物たっぷりのパンケーキやモーニングセットがいただけます。
https://www.goodspot.jp/pc/spot_detail/1470
写真と文・田村 美葉 (たむら みは)
1984年生まれ、石川県金沢市出身。日本でおそらく唯一ぐらいのエスカレーター専門サイト『東京エスカレーター』を運営、「高架橋脚ファンクラブ」の会長職を務めています。パドルボードを所有し、東京・横浜・大阪などの都市河川を漕いでまわるのが趣味。住んでる部屋はこちらです。