テレビ周りをおしゃれに魅せたい。コーディネート実例まとめ
テレビは、部屋の中でも広い壁の前に置くことが多いもの。その分生まれた余白を、様々なアイテムを活用し、おしゃれにアレンジしている方の事例を集めました。…
賃貸って、何かと制約が多い印象がありますよね。
でも、そんな制約はなんのその、とてもおしゃれに楽しく暮らしている人たちがいるんです。
「case study interior」はそんな達人から、賃貸でも楽しく暮らすコツを学ぶ連載です。
今回ご紹介するのは、西船橋のリノベーション物件にお住まいのとあるご夫婦の暮らし方。
お部屋の決め手から、リノベーションに合わせた家具の選び方まで、
暮らしのコツを聞いてきました。
【入居者プロフィール】
Fさんご夫婦
旦那さん:建築関係の編集・執筆
奥さん:建築設計会社
お家賃:ヒミツ
こちらに引っ越してきたのは、2年前の初夏。
それまではお互い実家暮らしで、結婚を機に初めての1人ならぬ2人暮らしに向けた
お部屋探しが始まったそう。
ご夫妻の仕事は、旦那さんが建築関係の編集や執筆、奥さんが設計者。
それだけでなんともストイックな感じがしますが、
幸い早い段階でこのお部屋に出会うことができたそうです。
うーん、不動産屋もほっとしたに違いない。
少し濃く塗装をかけた無垢のフローリングが気持ち良い。
しかし、お部屋を選んだポイントを聞くと、すごい。
まず、旦那さんが気に入ったのは、この土地の歴史。。
もともと船橋あたりは、古くから人の住んでいた土地で、
旧石器時代、縄文、弥生、古墳時代と遺跡が発見されている場所です。
お部屋があるのは、古墳時代の遺跡が発見されている場所で、
その後、漁師町や宿場町として栄えたそうです。
要するに古くから人々の営みがあった「良い土地」ということなんです。
地震があってから、こういう土地は注目されていますよね。
この建物にも歴史があります。
確かにリノベーション物件なので、歴史があるのは当然なんですが、
お話をうかがうと、けっこうビックリしました。
実はこの建物、積水ハウスのBFA型という、
後々量産されるアパートの初期モデルともいうべきものだそうです。
ご存知ですか? BFA型ですよ!! 普通は知りませんよね!!
要するに、近代以降の住宅供給を考える上で貴重な存在なんだそうです。
これが、丸ごとリノベーションされて見事に蘇り、ご主人の心を掴んだのです。
一方、奥様が気に入ったのはキッチン。
一枚の厚い木の板、深くて広いシンク。
収納を自分たちでプラスする楽しみがある、シンプルさと使い勝手の良さが気に入ったそう。
それから、お部屋にうかがった際に気づいたことをひとつ。
お茶を入れてもらっている時なんですが、お湯を沸かした後の動作がきれいだなーと思いました。
それは、火を止めてガスの元栓を閉める動作。
キッチン天板のすぐ下、ほとんど火をつけるツマミのすぐ下に元栓があって、
動作がスムーズなんです。
普通はガス台の奥とか、コンロの壁際にあったりしますよね。
そういう意味でも、いいキッチンだなーと思いました。
天板のすぐ下にガスの元栓があって、コンロを切るとその手で元栓も閉められる。
ご夫婦が特に気に入っている場所を教えてくれました。
リノベーションの図面でその場所は、「pantry or hobby room」と書いてあります。
実際にお伺いした際も、旦那さんは原稿〆切前で(ごめんなさい)、
取材も掃除もするヒマはない!!なんて状態だったんですが、お部屋はきれいでした。
その秘密が、このパントリールームなんだそうです。
ご夫婦は、普段このスペースをウォークインクローゼットとして使用しているそうですが、
それでもかなりゆとりが残ります。
急にお客さんが来たときには、とにかくこの部屋に詰め込んでしまうんだそう。
このスペースは、寝室とも繋がっていて、どちらからも出し入れが可能。
うん、これは便利そうですね。
こうした部屋がちょっとあるだけで、なんともすっきり住む事ができるんですね。
こうした設計上の気配り、ステキです!
左手のスダレカーテンの向こうがパントリールーム。
ご主人と、リノベーションの良さについてもお話しました。
なんか、いいんですよね、リノベーションって。その理由ってなんだろう。
その一つは、古いものと新しいものがお互いに助け合って、
新しい価値を生み出すところにあります。
部屋の歴史がデザインと解け合っていると、深みがあって面白い。
このお部屋を見ると、真ん中の柱がとても印象的です。
それで、よく見ると柾目の板がツギハギしてある柱なんです。鉄骨造ですから!
「ツギハギ」することは、このことを良く示していて、たぶんデザインした人は、
「これは木造じゃないぞ!!」って言っているんじゃないか。
この建物は軽量鉄骨の歴史的な建物で、そのことをしっかり示すと、
こういうデザインになるんじゃないでしょうか。
見た目が良い上に、そういうささやかな主張のあるデザインもステキだなーと思いました。
昔はどんなふうな間取で、どんな風に使われてきたのかな〜とか、考えるのもいいですよね。
入居前に撮られた写真をいただきました。やっぱり柱が象徴的ですね。
建築関係者であるご夫妻、そこで気になって聞いてみたのがインテリア計画。
どんな所にポイントがあるんでしょうか?
そんなお話をすると、面白いものを見せていただけました。
入居前の実測図と、インテリア計画です。
まず、実測についてはミリ単位で寸法を記録!
無駄なくすっきりとまとめられています。
入居前の実測図。さすが建築のプロ!
インテリアは、ダイニングテーブルがポイントになっているそう。
このリノベーションの雰囲気に対して、新品のピカピカした家具は合いませんよね。
そこで実家にあった古い小テーブルを拝借。椅子はそれに合わせて新調したそう。
それから、ツギハギの柱やスダレなどの雰囲気には「紙」が似合うんじゃないか!
という閃きから、本棚やラグは無印良品の紙の家具と和紙の照明器具で統一。
とても部屋に合っていますよね。
図面で練った配置と、家具の色味がぴったりあったお部屋です。
今回のお部屋は、建築のプロとあって、とてもシンプルで美しい部屋。
パントリーの便利さなど、プラン上の話から、インテリアに至るまで、
とても参考になりました。
個人的には、無印良品のパルプ棚を「紙」として考え、
和紙を合わせるとまとまることは、意外な発見でした。
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