作り手の想いに心を寄せる。ちょっぴり新しい、購買体験の場へ-谷根千『TeraとRojiと』
谷中・根津・千駄木、通称「谷根千」エリアを周り、散歩とクラフト雑貨の買い物を楽しむイベント「TeraとRojiと」が5月25日、26日に開催されます。…
せっかく住むなら、自分が本当に心地よくいられる街がいい。でもどのような視点で見たらそんな街に出合えるのか分からない……。そんなあなたに、お部屋探しのプロ、goodroomのスタッフが本当に住んだことのあるおすすめの街について熱く語る本連載。第4回目は千代田線が走る、「千駄木駅」と、その周辺「谷根千」エリアです。
text : ASAKO MIYAKE
連載第4回目は、千代田線の走る街「千駄木駅」。谷中・根津・千駄木をまたぐこのエリアは通称『谷根千(やねせん)』という名前で知られています。今回ご紹介するのは、谷根千エリア、そして南北線の走る『東大前』までのエリアです。
まず、千駄木駅から徒歩5分程度の場所にある「谷中銀座」は、土日ともなると、多くの外国人観光客でにぎわい、すっかり東京の東エリアの観光名所の一つとなっています。かわいらしい雑貨屋さんや、食べ歩きのしやすいコロッケなどが食べられる揚げ物屋さんなど、多くの店が軒を連ねます。「夕焼けだんだん」という愛称で知られる大きな階段を、駅のポスターなどで見かけたことがある方も多いかもしれません。
『谷根千』というワードが広がったことで、“暮らす街”というよりは、“遊びに行く街”として知られたこのエリアですが、そんなことはありません。ここは、しっとりと落ち着いた、大人になったあなただからこそ住んでほしい街でした。
千代田線は、渋谷区の「代々木上原駅」から足立区の「北綾瀬駅」を結ぶ沿線で、東京を東西に走っており、それぞれ小田急線、JR常磐線へとつながっていて、大変便利な路線として人気があります。
千駄木駅周辺に住めば、JR山手線日暮里駅までもなんと徒歩10分。山手線が徒歩圏内にあるというのは、通勤アクセスを重視する方にとってはうれしいポイントなのではないでしょうか。
そんな谷根千エリアに住んでおり、今回この街を紹介してくれるgoodroomスタッフは、いわせさん。20代前半のとき、一人暮らしをする場所としてこの街を選んだいわせさん。
いわせさんにとって、この街はどんな街なのでしょうか。
この周辺には多くの寺、そしてお墓があります。もともとは上野の寛永寺の子院が次々と建てられたことが始まりで、現在も約60ものお寺があるといわれています。有名な都立谷中霊園は東京三大霊園の一つといわれており、桜の名所としても有名です。霊園の中をまっすぐに走る大きな通りを歩いていると、なんだか心が落ち着いてくるから不思議です。
正直、千代田線に乗ってどこかに行ったことがあまりなかったわたしでしたが、意外な利便性を教えてもらうことができました。
千代田線の千駄木駅から東京駅までは、大手町駅で乗り換えれば、電車でおよそ14分。大手町方面は職場も多いので、通勤にも、そして帰省にも便利といえそうです。千駄木駅から根津駅は徒歩で約15分。根津駅から東大前駅までも同じく約15分の距離。通う方面が決まっている方は、住む場所を決める前にどの駅に近いと便利なのかを見たほうがよさそうですね。
岩瀬さんがこの街をほかの人に勧めるとしたら、どんなところでしょう?
わたしもこの街の穏やかでのんびりしている雰囲気が大好きで、週末によく友人と散歩に来ていましたが、気になっていたのは、アクセスの良さだったんですよね。岩瀬さんのお話を聞いて、利便性も兼ね備えた大人の街だということがわかってきました。
また、数は多くありませんが、コンビニ、スーパーやドラッグストア、クリーニング屋など、生活していく上で必要な店はほとんどそろっているといえるでしょう。個人経営の魚屋屋さんなどもあり、素材の良いものも調達できそうです。良いものをまとまって買うことができないのは少々不便かもしれませんが、時間があるときにあっちこっちを周って巡る買い物スタイルを楽しめる方にとってはきっと楽しい生活となるでしょう。
この辺りはお寺が多く、昔から代々この場所に根差して住まわれている方も多い印象があります。お寺などが主体となって行われる恒例の祭り行事なども盛んなようです。
そんな谷根千エリア。岩瀬さんの思う、この街のいいところって、どんなところでしょう?
わたしが取材をしに訪れた際にも、軒先を箒で掃除している方、知り合いが遠くに見えれば、声をかけてそのまま立ち話をする方、薬局前で「また来週ね」と声を掛け合うお医者さん、「明日、友達が来るから」と和菓子屋でお茶請けを買う初老の女性……。大げさかもしれませんが、昔ながらの古き良き住民同士のコミュニケーションの残る街だなぁと感じたのです。
では、反対に谷根千エリアの困ったところ、ってありますか?
たしかに、歩いている中で目に留まったのは、カウンターがあり、常連さんでにぎわう和食料理屋さんや、バル、カフェなど。メニューなどを見ても、決して高すぎるわけではなありませんが、学生街のような価格帯でもない印象です。実際に住まわれる際には、自分の食のライフスタイルと合っているかどうかなど、考えたほうが良いかもしれません。
また、夜は本当に寝静まるのが早く、しんと静まり返っています。仕事柄帰りが遅い方は、駅から家までの道のりを一度歩いてみることをおすすめします。
詳しい記事はこちら
https://www.goodrooms.jp/journal/?p=30185
https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131105/13180065/
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谷根千エリア。わたしが東京に出てきたばかりので9年ほど前は、ここまで知られている街ではなかったと思います。今でこそ多くの方々が訪れる街となりましたが、それでも変わらずに残り続けている歴史や文化、住んでいる人の営みがここにはありました。それは、今ではあまり見ることができなくなってしまった、当たり前の生活の様子。
しっかりと地に足をつけて生活をしたい、大人になったあなたへ。谷根千エリアは、そんな決意を新たに、この街で“暮らす”ということを楽しめる方におすすめしたい街でした。
利用可能な沿線:東京メトロ千代田線
家賃相場:ワンルーム・1K・1DK/8.31万円、1LDK・2K・2DK/15.13万円、2LDK・3K・3DK/19.88万円
物価の高さ:★★★☆☆
治安の良さ:★★★★★
子育て環境の良さ:★★★★☆
街にある施設:商店街/個人経営の飲食店が豊富/銭湯/パン屋/図書館/下町風土/おしゃれな雑貨屋
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三宅朝子
三宅朝子
goodroom journal 編集部所属。ライター、バーのママなど、いろんなことをしています。行ったことのない街に降り立つととにかく興奮する、街歩き大好き人間。最近リノベマンションに引っ越したばかりなので、街だけでなく、室内の住環境を整えていくことにも興味津々。部屋中無印。