ストーリーのある花との暮らしを提案する『ex. flower shop & laboratory』(東京・蔵前)
植物をうまく暮らしに取り入れ、楽しむヒントを探しに、街で人気のボタニカルショップをたずねます。 今回ご紹介するのは、中目黒店と蔵前店の2店舗を展開する『ex.(イクス) flower shop & laboratory』。人気のカフェ&ショップ、from afar 倉庫 01の店頭で、訪れた人の目を楽しませている蔵前店を訪れました。…
自分が自分らしくいられるように、心地よく暮らせる街は自分で選ぼう。今回ご紹介するのは、“東京のブルックリン”という愛称で親しまれ、土日には多くの観光客が訪れる街、「蔵前」です。蔵前に根付く様々なお店や風景を切り取り、この街で「暮らす」ということについて考えてみました。
text : ASAKO MIYAKE
goodroomのスタッフが住んで本当に良かった街を紹介する連載。第11回目は、蔵前です。都営浅草線と都営大江戸線が走るこの街は、近くに大きな隅田川が流れていて、個性的な一面をもつ文化の発信地としても人気を集めています。まるでアメリカのイーストリバー沿いにある街「ブルックリン」のような雰囲気があるということもあり、現在は「東京のブルックリン」という愛称でも親しまれています。週末のおでかけ先として、蔵前の街あるきを愉しんだことがある方も多くいらっしゃるでしょう。
ひとつひとつのお店を巡るなかで見えてきた、蔵前という街での暮らしを愉しめるひとって、どういう人なんだろう。そんなことを考えながら歩いてきた、「蔵前暮らし」の6つの習慣をご紹介します。
蔵前を歩いていると、実に様々な場所でテイクアウトのできるコーヒーショップがたくさんあります。
路地裏にひっそりとお店を構える、「SOL’S COFFEE」は、蔵前の中で3店舗のお店があります。それぞれコンセプトが異なりますが、今回訪れたのは蔵前駅から徒歩2分の所にある、SOL’S COFFEE STAND。コーヒーは焙煎した豆から、季節のフルーツを使ったジュースなど、気軽に立ち寄れるドリンクを多数そろえています。
お店の前にベンチも置かれていて、ホッと一息。「蔵前の街あるきですか?」と、初めて訪れた私にも気さくに声をかけていただき、街のこと、コーヒーのこと……、いろいろなことをおしゃべりしました。普段は近所の方や、向かいにある雑貨屋さんなどがよく来て、みんなコーヒーを飲みながら少しの気分転換を愉しんでいるそうです。
平日は朝8時からオープンしているということなので「お仕事、いってらっしゃい!」、そんな会話が普段は飛び交っているんでしょうね。
自分のことを知ってくれている人が、住んでいる街にいるっていいなぁ。行きつけの飲み屋に通うことだけが、街に顔なじみを作ることではないのだと、教えてもらったような気がします。
住所:東京都台東区蔵前3-19-4
https://www.sols-coffee.com/#/stores/stand/
初めてひとり暮らしを始めた時、「まずは生活できるレベルで」と100円均一で食器を揃える方ってきっと多いですよね。それからだんだんと料理を覚えていき、“食べるために必要な食器”から“食べることをより愉しめる食器”への関心も高まっていくときがくるでしょう。
形や質、色などにこだわりたくても、わざわざ時間をつかって雑貨屋さんへ向かうことまではしていない、という方へ。蔵前には、多くの器屋さんがあるのでおすすめなんです。
蔵前駅からは徒歩13分の所にある、「SyuRo」。ここではオリジナルの商品をはじめ、五感に響く日常の生活用品をセレクトし、販売しています。しーんと静かな店内は、町工場だった場所をリノベーションして造られたとあって、天井がとっても高いのも気持ちの良い空間を作り出しているのかもしれません。
食器だけではなく、ファブリック、日用品、スピーカーなど、様々なものに巡り合うことができます。
ほかにも、「道具屋nobori」、「proto 器トタカラモノ」、など。どこも丁寧にセレクトされた食器や雑貨が静かに誰かに持ち帰ってもらえる日を待っているような、そんな雰囲気。定期的に訪れて、その日、心のアンテナにひっかかった1枚を選んで帰る生活も、素敵ですね。
住所:東京都台東区鳥越1丁目16-5
http://www.syuro.info/
蔵前駅と、銀座線・田原町駅の間に位置する、パン屋さん「ペリカン」。パン好きの方は一度はその名を聞いたことがあるでしょう。
このペリカン、毎日予約の絶えないパン屋として人気です。しかも売られているのは食パンと、ロールパンのたった2つだけ。近所の方から遠方の方まで、その味を愛する人たちがひっきりなしにパンを取りに来ます。
もちろん、予約をしていない方向けの分も用意はありますが、数はかなり限りがあるのであまりおすすめはしません。
土日に翌一週間分を手に入れて、また翌週訪れる……。そんな生活ができるのも、蔵前にいるからこそ、なのかもしれません。
住所:東京都台東区寿4-7-4
https://www.bakerpelican.com/
まわりの誰かが「今日がお誕生日だった!」と知ったとき、大事な書類を封筒に入れて取引先の方に送るとき、もちろん、大切な家族や友人に手紙をふと書きたくなったとき。
いつもわたしは「ああ、なんであの時便箋を買っておかなかったんだろう!」と頭をかかえて、結局なんてことのない付箋やレターセットで済ませてしまうことも多いんです。
でも蔵前に住んだなら、人気のショップ「カキモリ」があります。カキモリには便箋や万年筆やボールペン、インクだけではなく、紙とカバーを選んで自分オリジナルのノートを作ることができるサービスもあります。広い店内を巡っていたらあっという間に時間がなくなってしまうほど。カキモリが調合した絶妙な色合いのインクは、ひとつは持っておきたい一品です。
普段使いだけではなく、お友達へのプレゼントにもいいかもしれません。「あなたらしい色を作ってみたよ」と渡されたら、その方にとっても一生忘れられないプレゼントのひとつとなるでしょう。
住所:台東区三筋1-6-2
https://kakimori.com/
蔵前駅から徒歩2分。隅田川沿いから1本路地を入ったところにあるのは、「Nui」です。ここも、もとは町工場だった場所をリノベーションし、1階はカフェ&バー、2階から上には外国の方もよく訪れる、ゲストハウスを運営しています。
1階部分は天井が高く、大きな木が中央にそびえたっています。木の質感が気持ちの良いカウンターで談笑している人も多くいらっしゃいます。夜の時間帯にはバー空間となり、宿泊者だけではなく、近所の方もよく飲みに来られます。
ゲストハウスの受付部分を眺めていると、観光帰りの旅人たちがひっきりなしに入ってきて、そのまま夜時間をここで愉しむ姿も見られます。店内には様々な言語が飛び交っているので、なんだかまるで異国の地に来たかのよう。きっとたまたま隣の席にいた方と意気投合して友人になることもあるでしょう。様々な人や文化が入り混じる、蔵前ならではの光景がきっと見られるはずです。
住所:東京都台東区蔵前2-14-13
https://backpackersjapan.co.jp/nuihostel/
最後にご紹介したいのは、隅田川。蔵前の駅を出てすぐのところにある「厩橋」に向かえばすぐに隅田川が見えてきます。東京を代表する大きな河川とあって、橋の中央から見える景色は圧巻の一言。両岸約47㎞の内、約28㎞の区間で整備された「隅田川テラス」は、都心の貴重な水辺の空間として多くの人に親しまれています。
隅田川テラスを考え事をしながら歩くもよし、ベンチに座ってぼーっとただただ川を眺めるもよし。嫌なことがあったって、ここに来ればなんだかすべてどうでもいい気がしてきます。水が人に与えてくれるパワーって、こんなに大きいんですね。
都内ではなかなかここまで大きな川沿いに暮らす、ということはできません。数ある自然の中でも、水のそばにいることが好きな方にはきっとぴったりの街ですよ。
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蔵前は、東京のブルックリンというだけあって、古くからあるお店だけではなく、新しい風も多く入って来ている、不思議な街。歩いていても、古くから商業を営んでいるいまだ元気な工場から、その跡地を生まれ変わらせ、新たな生業を興している場所まで様々あります。
そんな街だからこそ、外からの人にどこか寛容なところもあるのかも。自分を変えたい、暮らしをちょっとアップデートしてみたい、自然のそばで暮らしてみたい。そんな方にぜひ一度足を運んでみてほしい、そんな気持ちになりました。
・意外と思われますが、交通網が発達しています。都営大江戸線、都営浅草線が通っていて、日本橋方面や新宿、新橋などにも行きやすく便利です。バスもよく活用します。
・最近注目されてきているので、お洒落なカフェやレストラン、雑貨屋などが増えてきていて楽しく、よく散歩がてら面白いお店を見つけに行きます。
・夜は人通りが少ないですが、マンションなども比較的多いので治安は安心。
・スーパーが少なく、商店街の店も早く閉まるため、日常的な買い物は少し不便かも。
・隅田川の自然は感じられるが、大きな公園や庭園などの緑はあまりない。
利用可能な沿線:都営大江戸線・都営浅草線
家賃相場:ワンルーム・1K・1DK/10.59万円、1LDK・2K・2DK/15.43万円、2LDK・3K・3DK/19.09万円
物価の高さ:★★★★☆
治安の良さ:★★★★☆
子育て環境の良さ:★★★☆☆
街にある施設:商店街, 個人経営の飲食店が豊富, 子連れで行けるカフェ, パン屋, おしゃれな雑貨屋, スポーツジム,銭湯
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三宅朝子
三宅朝子
goodroom journal 編集部所属。ライター、バーのママなど、いろんなことをしています。行ったことのない街に降り立つととにかく興奮する、街歩き大好き人間。最近リノベマンションに引っ越したばかりなので、街だけでなく、室内の住環境を整えていくことにも興味津々。部屋中無印。