空気も、街も、人も、あったかい。市場を中心に広がる「大磯」暮らし
自分が自分らしくいられるように、心地よく暮らせる街は自分で選ぼう。34回目にご紹介する街は、神奈川県にある「大磯」。月に1回開催される大磯市を中心に広がる、大磯暮らしの様子を感じてきました。…
自分が自分らしくいられるように、心地よく暮らせる街は自分で選ぼう。今回ご紹介するのは、「神楽坂」。落ち着いた大人のイメージが漂う神楽坂は、どこかフランスのパリを想起させるような雰囲気の街でした。
text : ASAKO MIYAKE
goodroomのスタッフが住んで本当に良かった街を紹介する連載。第14回目は、東西線の走る街「神楽坂」です。
東西線の神楽坂駅から7分ほど歩いた場所に、大江戸線の走る「牛込神楽坂」駅があり、10分ほど神楽坂のメインストリートを歩けば、東西線やJR総武線の走る「飯田橋」駅もあります。そのため、大手町や新宿といった、主要な街で働いている方にとってはどちらも10分以内で通うことができる、とても便利な街です。
そんな神楽坂は古くから有数の花街として栄えた、歴史と文化のある街。現在も住む人、働きにきている方もどちらも多いため、居酒屋や割烹料理、バルなど、ジャンル問わず、様々な飲食店が豊富です。
先日、神楽坂で10年続く雑貨屋さん「jokogumo(よこぐも)」さんを取材したときに、店主の小池梨江さんに神楽坂の魅力を教えてもらいました。
小池さん:「神楽坂は、街を大切にしている人が、とっても多いんです。もともと個人経営の商店が多いということもあり、みんな“この街で消費をする”ということを大事にしています。わたしはニュータウンと呼ばれるような、“街を大切にする”という感覚が少ない地域で育ったので、はじめは驚かされましたね。東日本大震災の時も、心配して近所の方が、お店に様子を見に来てくれたこともありました。人のあたたかい街なんです」
これまで神楽坂に持っていた印象は、「高級住宅街」、「大人が愉しむ街」といった、自分が「住む」というイメージとはかけ離れたものでした。
でも、実際に歩いてみると、昼間から小さな商店が元気に商売を営んでいたり、道端で世間話を始めるご婦人がいたり、1本路地を入るとまだまだあるお店に小さな冒険気分を味わえたり。もしかしたら、30歳を過ぎて背伸びせずともすこしずつこの街になじめる年齢になってきたのかもしれないと思うようになりました。
さあ、そんな大人の街、神楽坂。まずはわたしのお気に入りの4つのスポットをご紹介します。
なんといっても選書が良い、東京で一番好きな本屋さん。東西線の神楽坂駅のすぐそばで2014年にオープンしました。おすすめは、入口すぐのところにある、テーマに沿って集められた書籍コーナー。時事ネタや季節のテーマに合わせて、普段は手に取ることのない本との出合いを愉しめます。
店内奥には、ギャラリースペースがあり、雑貨や絵本コーナーも。定期的に書籍の著者などが集うトークイベントなども開催されているので、近くに住んだら感性の刺激される毎日になりそうです。
かもめブックス
東京都新宿区矢来町123 第一矢来ビル1階
http://kamomebooks.jp/
神楽坂の新名所として賑わっていた「la kagu(ラカグ)」が2019年3月にリニューアルオープン。AKOMEYA TOKYOの旗艦店として生まれ変わりました。場所は、かもめブックスの目の前にあります。
〝一杯の炊きたてのごはんから、つながり広がる幸せ〟をテーマに日本各地から取り寄せられたお米や器、調理器具などを販売しています。自炊が好きな方にとっては、こんなに豊富に食材や調味料のあるお店があると近くにあるとうれしいかも。ついつい買いすぎてしまうので、要注意…!
AKOMEYA TOKYO in la kagu
東京都新宿区矢来町67番地
https://www.akomeya.jp/shop/default.aspx
これまで東京で見てきた中でも1.2を争うのでは?というほど、新しく、きれいな神社。平成22年に隈研吾さんによる設計監修のもと再建されたそうです。カフェも併設されているので、こちらでゆっくり過ごすのもおすすめです。
赤城神社だけではなく、神楽坂には大小様々な神社がいまだに残っています。その謂れは諸説ありますが、坂の上で見晴らしがいいことや、実際に住んでいる人が多いため廃れることがなかったため、といわれています。
街に神社があるのって、地の神様に守られているようで、なんだか落ち着きますよね。
赤城神社
新宿区赤城元町1-10
https://www.akagi-jinja.jp/
東西線の神楽坂駅から歩いて約10分。どちらかというと飯田橋駅に近いこのカフェは、神田川沿いに建てられており、テラス席でも食事を愉しむことができます。夏の暑い日にはビールを、春には桜を見ながら、のんびり過ごせる心地よい場所です。
平日でも連日大賑わい。ボートに乗って愉しむ人を眺めながら、1日中本を読んでぼんやり過ごすのもいいですね。あまりカジュアルになりすぎない店の雰囲気とメニューがあるので、実家の両親が東京に遊びに来た時によく重宝しています。
CANAL CAFÉ
東京都新宿区神楽坂1-9
https://www.canalcafe.jp/
神楽坂が、「東京の小さなパリ」と称されることがあるということはご存知ですか?
あまりに街に溶け込みすぎていて気が付かなかったのですが、たしかに歩いていても、そこかしこにフランス国旗が掲げられているお店も多く、料亭や古くからの商店に、クレープ屋さんやチーズ屋さんが違和感なく混じっていますね。
かつての名残で石畳や、コンパクトにまとまった街並みも神楽坂の特徴で、フランスと似た雰囲気があるとのこと。このあと紹介する、フランス語学校が神楽坂にあったこともあって、自然とフランス人が多く住むようになったともいわれています。
街の中でも、観光客の方だけではなく、スーパーでお買い物をする外国の方も見かけました。それでは、神楽坂の中の”フランスを感じられるスポット”も、あわせて巡ってみましょう。
神楽坂駅から徒歩15分。「アンスティチュ・フランセ東京」は、60年以上の歴史があり、フランス政府公式の語学学校・文化センター。中には映画館や図書館、レストランが併設されています。日本人だけではなく、フランス人の方も多く出入りされています。
図書館は一般の方も自由に出入りすることができ、誰でも無料でフランス語の書籍や映画などを閲覧・視聴をすることができます。
アンスティチュ・フランセ東京の建物の設計は坂倉準三氏によるもの。フランスが生んだ近代建築の巨匠、ル・コルビュジエの弟子にあたる建築家です。
フランスと深い絆をもつ建築家が創り出した建物を見るために足を運ぶ建築家も多いといいます。この塔の中にある二重のらせん階段は構造的にも非常に珍しいもの。一見の価値ありです。
アンスティチュ・フランセ東京
東京都新宿区市谷船河原町15
https://www.institutfrancais.jp/tokyo/
フランス北西部の、大西洋に面した半島、ブルターニュ地方。この地方の名物が、そば粉の「ガレット」です。このガレットを美味しくいただけるのが、このお店。神楽坂駅から徒歩7分の場所にあり、メインストリートから、1本路地を入ったところにあるため、とても静かで雰囲気の良い場所にあります。
中に入ると談笑している男女でいっぱい。店員さんの接客もカジュアルで、一人で来ても寂しくない、居心地の良さがあります。
フランスのブルターニュ地方では、カフェよりも「クレープリー」(クレープ料理をメインとしたレストラン)に人々が集うということもあり、このお店でも、野菜やお肉を使ったおかず風のクレープやガレット、もちろんデザート風のものも味わえます。
パリッと香ばしく、塩気もあるので甘い果物やクリームと合わせても不思議と合うのがガレットの魅力。
中からはフランス人シェフと思しき方も出てきて、昔ながらの友人客との談笑をされていました。日によっては、フランスの方でいっぱいの日も多いそう。一度も行ったことはないけれど、ブルターニュ地方へ行ってみたい!……そう感じさせてくれる場所でした。
ル・ブルターニュ 神楽坂店
東京都新宿区神楽坂4-2
http://www.le-bretagne.com/
もし、自宅でもヨーロッパの雰囲気を味わいたい、と思ったのなら、ぜひチーズ専門店「アルパージュ」へ。
小さな店内には、ケーキ屋さんのようにショーケースの中にはチーズがぎっしり。アオカビ系、白カビ系、フレッシュ系……。世界中の本格的な味を愉しめるチーズが様々取りそろえられています。
「こんな料理に合わせたい」、「今日はこんな気分」、「こんなお酒と食べてみたい」。様々なオーダーに応えてくださるので、まずは店員さんに声掛けしてみるといいですよ。きっと、この街に住む多くの方が、このお店でチーズを選び、食卓に並べているのだろうな、と想像するとなんだか不思議な気分になりますね。
アルパージュ
東京都新宿区神楽坂6-22
https://alpage.co.jp/www/
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古いものと、新しいもの。高級なものと、庶民的なものが、バランス良く集まる街、神楽坂。
その駅名の通り「神楽坂」のメインストリートだけではなく、そこから1本路地裏に入れば、看板も出ていないような名店も多数あり、散策がとっても楽しい街です。
いつか、この街が似合うような大人になれたなら、この場所で住んでみたい。そんなことを思いながら、神楽坂を後にしました。また、心に刺激が欲しくなったら、来たいな。
・賃料は少し高めですが、飲食店も豊富で遅くまでやっている場所もあります。スーパーや薬局もあるので意外と生活しやすい街です。
・休日は観光目当ての人が多くなり、すこし騒がしいですが、平日の夜は驚くほど静かです。生活している人だけが残っている感じ。
・平日の朝、東西線が混むのでそれだけが苦痛ですが、あとはとても気に入っています。
・全体的に住んでいる人は品の良い方が多いです。ゴミなどもほとんど落ちていないし、きれいな街です。
利用可能な沿線:東西線
家賃相場:ワンルーム・1K・1DK/11.14万円、1LDK・2K・2DK/17.93万円、2LDK・3K・3DK/29.43万円
物価の高さ:★★★★☆
治安の良さ:★★★★★
子育て環境の良さ:★★★★☆
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三宅朝子
三宅朝子
goodroom journal 編集部所属。ライター、バーのママなど、いろんなことをしています。行ったことのない街に降り立つととにかく興奮する、街歩き大好き人間。最近リノベマンションに引っ越したばかりなので、街だけでなく、室内の住環境を整えていくことにも興味津々。部屋中無印。