「団地でオモシロイことがしたい」人がぞくぞく集まる茶山台団地。注目の「ニコイチ」の募集開始です
大阪府堺市の泉北ニュータウンにある大阪府住宅供給公社の団地、茶山台団地。ここでいま、団地ならではの良さを活かした様々なコミュニティ活動が生まれています。そして今年度も、向かい合う2部屋をつなげて借りられる人気の「ニコイチ」の募集が12/25にスタート!今回は「ルームシェア専用」というユニークなお部屋もあるんです。ぜひ注目してください。…
ハード面、ソフト面ともに、快適な住まいづくりのための斬新な取り組みが行われている大阪府住宅供給公社の「茶山台団地」。今年6月28日(月)10時に募集開始となるリノベーションのお部屋は、かなり間取りが画期的で、驚きのあるものになっていました。ヨコの「ニコイチ」、そして今回初登場となるタテの「ニコイチ」・庭付き「リノベ45」の3つのお部屋を紹介します。
text : Miha Tamura / photo : Yumiko Inoue / 提供 : 大阪府住宅供給公社
大阪府堺市の「泉北ニュータウン」。泉北高速鉄道「泉ケ丘駅」から歩いて約10分の距離にある「茶山台団地」は、公社のリーディングプロジェクト団地として、ハード面、ソフト面共に、快適な住まいづくりのためのさまざまな取り組みが行われています。
2015年度から始まったリノベーション「ニコイチ」もそのひとつ。
45㎡ 3DKの間取りの住戸を2つつなげるというもので、毎年コンペが行われ、テーマ性のある斬新なプランが採用されています。
今年6月28日(月)に募集開始となるのは、従来のヨコの「ニコイチ」に加え、新しい取り組みとなる上下階をつなげたタテの「ニコイチ」、庭付き「リノベ45」の、合計3部屋です。
3部屋共通のテーマは、「ロの字壁」が紡ぎ出すこれからの働き方とくらし。
昔ながらの「田の字型」の壁を解体し、「ロの字」の壁を配置。真ん中はみんなが集まる空間に、周囲はそれぞれが仕事や寝室、収納など自由に使えるフレキシブルな空間にとゆるく仕切る、とても画期的なプランになっています。
設計をされたのは、ナノメートルアーキテクチャーの野中 あつみさんと、三谷 裕樹さん。
今回のリノベーションにあたって、公社から出された提案条件は
・豊かな自然が感じられるプラン
・これからの働き方に対応できるプラン
・空間を立体的に活用できるプラン
の3つ。
特に、この1年で、リモートワークが増え、家族がそれぞれ家で過ごす時間が増えるなど、大きな生活の変化があったことを踏まえて、それに対応できる「これからの働き方とくらしの提案」が望まれていました。
「家族それぞれが、リモートワークでオンライン会議をしたり、勉強したりという中で、パーソナルなスペースが必要になっています。団地のリノベーションでは、今までは田の字型の3DKの壁をなくして2LDKや1LDKにするものが多かったですが、それでは個々が必要なスペースに対して、逆に部屋が“大きすぎる”んじゃないかと考えたんです」と三谷さん。
「ロの字壁の部屋では、“家族みんなが、2つか3つ小さな部屋を持っている”状態です。生活の仕方がどんどん変わっていく中で、その小さな場所を、生活に合わせてそれぞれカスタムして使ってもらえたらいいなと思っています」
「ロの字壁」があることで、どんな「新しい暮らしかた」ができるようになるのか、さっそく、完成したばかりのお部屋を見てみましょう!
23棟4階の107号室は、隣りあう2住戸が玄関とバルコニーとでつながる、ヨコつながりの「ニコイチ」。こちらのテーマは、「暮らすと働くが隣り合う家」です。
「ロの字」の真ん中には、キッチンや、みんなが集まれるスペース。周囲に、寝室や子ども部屋、ワークスペースなど、さまざまな用途に使える、あえて小さく仕切られた部屋がたくさんあります。
「ロの字壁」、最初に聞いた時には、明るさや、風通しはどうなるんだろう?とちょっと思っていましたが、「壁」といっても、開口部がたくさんとられているので思ったよりもずっと開放的です。
シナ合板を使った「ロの字壁」と、元々の雰囲気を極力残して仕上げられているコンクリートの壁、天井、そして配線や配管の鉄管パイプ。それぞれの素材が活かされたニュートラルな雰囲気は、カフェ風、北欧風など、いろんなインテリアに合いそうですね。
21棟の4・5階には、今回初の試みとなる、上下の2住戸をつなげたタテの「ニコイチ」が登場。共用階段を使って上下階を行き来しながら使うことを想定されているお部屋です。
4階と5階をプライベートとワークスペース、という風に分けてしまうのではなく、あえて生活の中で何度も上下の移動が起きてメリハリを持って暮らせるように考えられた、斬新なプランになっていますよ。
食事をするときは4階に。仕事をするときは5階に。そして、お風呂に入るために4階へと戻ってきて、寝るときはまた5階へ。1日に何度も上下を行き来することで、生活のリズムにメリハリをもち、また、両方のフロアを有効に使うことができるのが、このプランの特徴です。
一人で集中して勉強や仕事をしたり、オンライン会議の時には外側の小さなスペースを使い、みんなで集まる時には真ん中を使う。部屋から出ると、自然と顔を合わせる動線になっているのも、「ロの字壁」の部屋の特徴です。
ちなみに今回ご紹介する3部屋は、自らの居住を伴えば事務所としても利用可能。ロの字壁の中央を囲うように、小さな空間がたくさんあることで、集中する作業もディスカッションするスペースもあって、これからの働き方にぴったりですね。
3部屋目にご紹介するのは、こちらも今回初の試みとなる「庭付き」のお部屋です。
バルコニーを飛び出して、団地の敷地の一部を専用庭として使えるプランです。
庭付きのプランはニコイチと違って1戸分のためコンパクトなのですが、コンパクトな中にも必要なものがしっかり詰まっているという印象です。
茶山台団地には、リノベーションしたお部屋だけでなく、敷地内にも住人同士の交流ができるような様々な仕掛けがあります。
「おいしいごはんと楽しい時間を山分ける」がコンセプトの「やまわけキッチン」や、「団地カスタマイズ」のサポートをしてくれる「DIYのいえ」など。団地の1室を使ったおもしろい取り組みがたくさんあるんです。
茶山台団地の新しいリノベーションのお部屋は、5年後、10年後と、暮らしが変わっていっても、その時々に合わせて色々とカスタムしながら使っていけそうな自由さがありました。
壁をなくして大きく広い部屋にするのではなく、あえて「ロの字の壁」を作って小さな部屋をたくさん作ることにより、よりいろんな使い道が想像できるというのは、目からウロコ。
あなただけの「新しいくらし方」を想像しに、ぜひ一度、見にきてみてください。
※6月26日(土)、27日(日)には入居希望者を対象としたオープンルームが開催されます。詳細は特設サイトからご確認ください。
その他茶山台団地のリノベーション住戸はこちら
http://ldr-b.danchi-renovation.com/index.html
田村美葉
田村美葉
グッドルーム・ジャーナル編集部所属。インテリアやリノベーションが大好きです。goodroon journal の取材を通じて、いつもたくさんのアイディアを教えてもらってます。