ごつごつとした手触り感が好き。 素朴で懐かしいチキンサンド。『パーラー江古田』

Vol.1 パーラー江古田　（東京・練馬区・江古田）

ごつごつとした手触り感が好き。
素朴で懐かしいチキンサンド。

パニーニ　チキンとマイタケのオーブン焼き620円

江古田といえば

江古田といえば、日大藝術学部を始め３つの大学がある学生街。じつは私の出身校もその１つで、駅に降り立っただけで、バカばっかりやっていた大学時代が蘇る。今も昔も変わりなく、安い定食屋やレトロな居酒屋、ラーメン店が軒を連ね、路地裏には、タイやベトナムの街角にあるようなエスニック店がひょっこりと出てきて、やっぱり、この街イイな、とニンマリ。

築５０年以上の日本家屋を改装して作ったお店。

住宅街に潜む古民家カフェ

「パーラー江古田」は、住宅街に潜む古民家カフェ。２００６年オープンということで、私が学生の頃にはなかった。早朝にもかかわらず、学生や小さなお子さんを連れた若いご夫婦、ご年配の方などがやってくる。少し気後れしつつ、初めまして、と戸を開けた。木材に包まれた空間、シャンデリアや暖炉、石臼、古時計たちと、そして、お店の方が笑顔で出迎えてくれる。

「パンはどうしますか？」

評判だと聞いていたチキンのサンドイッチを頼もうとすると、「パンはどうしますか？」と聞かれた。なんと焼きたてのパン11種類から選べるのだ。リュスティック、フォカッチャ、ゴマパン、いやいやシンプルにレーズン酵母のフランスパンにしようか、と、さんざん迷った挙句、おススメだというチャバタにする。ごつごつした手触りのチャバタに、焼きたてのチキンとマイタケがふっくら挟まって出てくる。がぶりと噛めばサクッとした食感、肉のジューシーさと全粒紛の香ばしさが口の中で広がった。ふと、子どもの頃、母が焼いてくれた無骨なパンを思い出す。初めて食べるのに懐かしい味。ひとつひとつ丁寧にオーブン焼き上げられる素朴なサンドイッチは、学生や、この街に暮らす人たちにとって自慢の味なのだと思った。

ハード系や惣菜系のパンなどが並ぶショーケース。すべて店の奥で焼いている。

「パーラー」という響きがレトロで、街の憩いの場所を感じさせる。

DATA
パーラー江古田
東京都練馬区栄町４１−７
Tel.03-6324-7127
営業時間　8:30～18:00　（火曜定休）