こんにちは、日用品&町歩き愛好家の渡辺平日です。この連載では、個人的に好きな町や住みたい町を、商店街を中心にじっくりと這うように案内しています。
今回は横浜市保土ケ谷区の天王町を散策しました。江戸時代には宿場町、戦前・戦後には工業地帯として機能していたエリアで、あちこちに往時の風情を感じられる建物や史跡が残っています(現在では、横浜方面や都心で働く人々のベッドタウンとしての役割を担っています)。
横浜方面へのアクセス良好。車での移動にも◎
JR直通線計画で盛り上がっている相鉄線。都心への移動が便利になるということで沿線の駅が注目されていますが、駅員さんによると、もともと横浜に近い天王町駅はあまり変化はないとのこと。
天王町駅には横浜駅と海老名駅を結ぶ相鉄本線が乗り入れていて、交通拠点の横浜駅へは乗換無しで約6分で移動可能。一度そこまで出てしまえばどこに行くのにも便利です(例えば横浜駅から、新幹線が使える新横浜駅までは約10分程度で移動可能)。また、保土ヶ谷バイパスなどの主要道路も近くにあり、車での移動にも便利なエリアとなっています。
旧東海道を南へ
天王町駅へ到着。駅周辺にはスーパーやコンビニ、ドラッグストア、100円ショップなどが揃っていて、普段のお買い物なら十分にまかなえそうでした。飲食店も多く、仕事終わりにちょっと一杯……というときにもお店選びに困りそうにありません。
東西に長く続く河川〈帷子川(かたびらがわ)〉が、町を横断する形で流れています。天王町に住んでいる友人が「夕方になるとすごく雰囲気がいいよ」と話していたので、またあとで戻ってきます。
市民の憩いの場となっている駅前広場。旧東海道に掛かっていた〈帷子橋〉がモニュメントとして設置されていて、広場のシンボルとなっています。
天王町には〈洪福寺松原商店街〉という有名な通りがありますが、それは後にとっておいて、旧東海道を少しだけブラブラしてみることにしました。
それでは出発。〈香象院〉に向かって南下します。
緑色のポールが並んでいます。地元の方に聞いてみたところ「大名行列のお侍さんをモチーフにしてるのではないか?」とのこと。ちょんまげを結っているし、間違いなさそうです。
石で守られた切り株を発見。なにか謂れがあるのでしょうか。
よく見たら他の木も石で囲まれているので、ただの切り株っぽいですね。残念。
新しい店舗やマンションに混じって、昔ながらのお店も点在しています。
お釜が目印の香象院に到着。さらに南下すると宿場町らしい建物なんかがあって楽しいのですが、今日はここまで。ちなみにこのお釜は、火災に備えた天水桶として設置されているそうです(諸説あります)。
毎日がお祭りのような洪福寺松原商店街へ
香象院からぐいーんと踵を返し、どんどん北上します。おや、なにかアーチのようなものが見えてきましたね。
こちらが〈ハマのアメ横〉という異名を持つ洪福寺松原商店街です。日曜日の昼下がりとはいえ、ものすごい人手。まるでお祭りのようです。
駅から少し離れているうえ、近くに大型商業施設もあり、さらにすぐに横浜へアクセスできる立地。……条件だけ見るとかなり厳しいはずですが、ビックリするほど繁盛しています。年末にもなると、一日に数万人以上のお客さんが訪れるとか。
200m四方の空間に青果店や鮮魚店、精肉店、食料品店などが軒を並べています。「トウモロコシが安いよ~!」「旬の魚が勢揃い!」などと、威勢のいい掛け声が飛び交っていて非常に賑やかです。
新鮮な食材をお手頃価格で買い求めることができます。ハマのアメ横という異名はダテではありません。
特に青果店が安い! お得な野菜を求めてエリア外からも買い物客が訪れます。
蒸したてのとうもろこしが3本で300円! 一本いただきましたが、お世辞抜きで今まで食べた中で一番おいしかったです。
宝石のように輝くスイカたち。
商店街のなかにあるお茶屋さんで休憩。メインストリートを眺めながらボーとしていたら、みるみるうちに心が潤ってきました。
中国食材の専門店もあり、マニアックな調味料やスパイスなどを安価で入手できます。
食材だけではなく、お菓子や日用品もとにかくリーズナブル。
美味しそうなお弁当屋さんを発見。そろそろお昼を食べようかな。
このお弁当屋もいいですね~。家や職場の近所にほしいタイプのお店です。
ここは実家? アットホームなとんかつ屋へ
この店構え……間違いないやつです。お昼はここで食べることにします。
こんにちは~。おお、これぞ町の食堂という佇まい。実にいいですね。実家に帰ってきたような感じがします。
ちょっと考えたあと、ロースかつ定食を注文。
ドリンクメニューも充実しています。
TVを観ながらぼんやり寛ぐこと約10分。たっぷりのキャベツが嬉しい、ロースかつ定食のできあがりです。
ごちそうさまでした。トンカツはもちろん、ナスのおひたしやお味噌汁も美味しかったです。またフラッと食べに来たいな~。さて、お腹がいっぱいになったところでお部屋紹介コーナーへと行きたいところですが、あいにく、満室ばかりでご案内できるお部屋がありません……。ということで、近隣の駅のお部屋を紹介するようにしますね。
眺望◎ 爽やかな風が吹くお部屋(1K/20.38㎡/7.66万円)
天王町駅のお隣、西横浜駅から徒歩約2分のお部屋です。自転車があれば商店街にも通えますね。
ゆったり一人暮らし。シックなロフト部屋(1K/20.3㎡/6.5万円)
天王町から海老名方面へ一駅、星川駅のお部屋です。今回は行きませんでしたが、星川ものんびりしていい町ですよ!
さいごに
それにしても賑やかな商店街でしたね。威勢のいい掛け声が、まだ耳に残っているような気がします。また近いうちに遊びに来たいな。
やさしい光が川をそっと撫でます。
……なんとなくですが、いつかこの天王町で暮らす日がくるんじゃないかという、不思議な予感があります。素敵な町はたくさんあるけど、この町くらい自分らしく生きていけそうな場所って、なかなかないですから。いつか心が迷子になりそうになったら、ここで暮らしてみようと思います。
おまけ
もう一箇所だけ、おすすめスポットを紹介させてください、こちらはオフィスや飲食店、公園などがひとつにまとまった〈横浜ビジネスパーク〉という大型施設です。
広い敷地のあちこちに芸術作品が展示されています。
いちばんの見所は〈ベリーニの丘〉という公園。さまざまなドラマや特撮の撮影地として選ばれています。よく晴れた日は散歩や読書を楽しんでみるのもよさそうです。 以上、おまけのコーナーでした。