無理して背伸びしなくていい。日吉は、等身大の自分でい続けられる街です。
東京だけで600を超える駅がある中で、”自分に合った街”を選ぶということは、地方から来る人はもちろん、東京に住み慣れた人だって、とっても難しいこと。街を見るプロの目をもったgoodroom社員が本当に住んだことのある街を紹介する連載。第7回目は東急東横線「日吉」駅です。…
日吉、という学生街の中で異彩を放つ老舗の洋食屋「プクプク亭」。大人の憩いの場として人気のこの店で、美味しいランチをいただいてきました。
text : ASAKO MIYAKE
敬愛する街あるきの達人の一人に、カリスマバイヤーとして有名な藤巻幸夫さん、という方がいます。
54歳という若さで亡くなってしまった彼の著書「ビジネスパーソンの街歩き学入門」のなかでこんな主旨の一説がありました。
”こだわりの店を見つけるには「裏通りを歩くこと」だ。とにかく裏道をジグザグにひねくれて歩くこと。そうすれば、絶対にぐっとくる店が見つかる”
この内容を見て、これまで大通りを歩いただけでその街を”わかったような気”になっていたわたしの街あるきはガラッと変わりました。今回見つけたご紹介するお店、「プクプク亭」もそのひとつ。放射線状に大きな商店街が4つも立ち並ぶ日吉という街で、縦横無尽にジグザグと歩いて見つけた、老舗の洋食屋さんです。
プクプク亭は創業30年以上という、大人に人気の洋食屋さん。日吉という学生街でありながら、ランチの価格は1,000円以上。あのころからちょっぴり大人になったわたしにはもってこいだと思ったのと、直感で「絶対に美味しそう!」と感じ、古い階段を上がって2階へ。
店内はテーブル席が10席ほどと、カウンター席もいくつか設けられていました。お昼どきを過ぎたころに来たので混雑はしていませんでしたが、おしゃれな白髪の男女がワインをデカンタで頼み、お昼から楽しそうに談笑している、いい雰囲気のお店です。
わたしはハンバーグランチ(1,280円)をチョイス。ほかにもロールキャベツ、牛かつ、オムレツ、ビシソワーズなどなど……。どれも美味しそう!
先ほどまで常連さんのような方と談笑していたご婦人が、突然立ち上がりレジ対応をするなど(かわいらしい80歳ほどのお店の方でした)、アットホームな雰囲気も魅力です。それからアルバイトの方でしょうか。お店の方がつけているエプロンもストライプでかわいい。
数年前に移転したとあって、老舗ながら店内はとても清潔感があります。それでいてレースのカーテンやアンティークのインテリアなどにレトロさが感じられるのも、なんだか落ち着く秘密のひとつでしょう。
そうこうしているうちに、ハンバーグランチがきました。ワサビをつかったソースを使用しているとあって、一口口に運ぶとふんわりと鼻をぬける香りがただよいます。ソースも甘くて優しい味。ご飯も進むランチでした。
普段は食事をし終わったらすぐに退店するわたしですが、なんだかここは居心地がよく、しばらくお茶をいただきながら考え事をしてしまいました。ほかの人の声が気にならないほどよい騒がしさ、品の良い店員さん、音楽。ごはんが美味しいのはもちろんですが、こうして様々なものが組み合わさって、お店の「居心地の良さ」はできあがるのでしょう。
自分の勘を信じて、チャレンジしてみてよかった。
そんな気持ちになりながら、またジグザグと街歩きを始めるわたしなのでした。
プクプク亭
住所:神奈川県横浜市港北区日吉本町1-3-17 日光ビル2F
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140204/14042473/
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三宅朝子
三宅朝子
goodroom journal 編集部所属。ライター、バーのママなど、いろんなことをしています。行ったことのない街に降り立つととにかく興奮する、街歩き大好き人間。最近リノベマンションに引っ越したばかりなので、街だけでなく、室内の住環境を整えていくことにも興味津々。部屋中無印。