退去で損をしないために。原状回復費用のガイドライン、知っておきたい3つのポイントをまとめました
賃貸住宅の退去時にトラブルとなりやすい「原状回復費用」。国と東京都のガイドラインに基づいて、確認したいポイントをまとめました。…
お部屋を借りるときに交わす「契約書」。入居後や退去時のトラブル、余計なお金の支払いをなるべく防ぐために、「必ずチェックしておくべき」項目をまとめました。
text : Miha Tamura from goodroom journal
部屋を借りるときは、「入居の申込」をし「入居審査」が終わったら、続いてオーナーさんとの間で「賃貸借契約」を結びます。不動産を仲介した会社か、もしくは不動産を管理している会社、どちらかが窓口となって、契約内容の説明が行われます。
そのときもらう書類は2種類、東京都内の物件の場合は3種類です。
・ 賃貸借契約書 (それぞれの物件によって異なる)
・ 重要事項説明書 (法律で、説明する項目が定められている)
・ 賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書 (東京都の条例に基づき、説明する項目が定められている)
契約の内容は、「賃貸借契約書」に書いてあるものが基本です。
その中で、借りる側が不利にならないように、口頭で説明が義務づけられている項目が「重要事項説明書」にわかりやすくまとめられています。
重要事項説明書は、「賃貸契約を仲介した不動産会社」に義務づけられるものなので、稀にオーナーさんとの直接契約や、不動産会社の自社物件など、仲介会社が存在しないケースでは、発行されない場合もあります。その場合も、契約書でこの項目を確認しておけばOKということになりますね。
では、重要事項説明書の中で特にチェックすべき項目を確認してみましょう。
※重要事項説明書の雛形は国土交通省のサイトでチェックすることができます。
住所や平米数、構造が記載されています。
「RC造」と説明されていたのに、「鉄骨造」だった……などの場合が無きにしも非ずなので、まずはしっかりチェックしましょう。
電気・ガス・水道設備の整備状況が記載されます。
特にチェックしたいのは「都市ガスか、プロパンガスか」という点。
プロパンガスの場合は、都市ガスよりも光熱費が高くなる傾向があります。
ガスコンロやエアコンなど、設備の設置状況が確認できます。
自分で用意・修理すべき設備と、オーナーさん負担で用意・修理してもらえる設備がわかります。
内覧したときに設置されていても、契約書に「設備」として記載されていないものは、前の入居者さんの「残置物」である場合があります。
その場合、もし壊れたとしても入居者負担で修理をすることになります。
災害区域に指定されているかどうか、アスベスト調査、耐震診断がされているかが記載されます。
アスベスト調査や耐震診断は義務ではないので、「調査なし」「診断なし」の場合も多くあります。
自治体の「ハザードマップ」も合わせて参考にしておくと安心でしょう。
こちらもチェック:地震や台風に備えよう。部屋探し〜新生活スタート時の防災チェックポイントまとめ
家賃以外に支払うお金がここに記載されます。(敷金・礼金・仲介手数料・鍵交換費用・保険料など。詳細はこちら)
「契約の解除に関する項目」には、退去予告を何日前にする必要があるか? が書かれています。
一般的な物件では「30日前」ということがほとんどですが、稀に「60日前」とされている場合があります。
「30日前」の場合は、予告した日から1ヶ月分、「60日前」の場合は、予告した日から2ヶ月分の家賃を払う必要があるということになります。
これを忘れていてギリギリのタイミングで退去予告をすると、その分、余分な家賃を払わなくてはいけない期間が長くなりますので注意しましょう!
また、違約金の項目も要確認。
一般的な賃貸物件では、違約金の設定がされることは稀ですが、「フリーレントつき」「礼金ゼロ」などのキャンペーンで入居をした場合、「1年以内の退去の場合、違約金は家賃1ヶ月分」など定められている場合があります。
契約期間は2年間がほとんど。
更新の際にいくら更新料を払うかも記載されていますので、ここも確認しておきましょう。
用途制限には「住居」としての使用か、「事務所」としての使用か。
利用の制限には、「楽器」や「ペット」OKかどうか、が記載されます。
稀に、内覧の時に担当者に「楽器OKですか?」と確認し、「大丈夫ですよ!」と言われていたものの、確認をしてみたら不可とされていた、などの場合があります。契約書の内容が全てになりますので、ここもしっかりと確認しましょう。
敷金の精算については、「退去時清掃費は入居者負担」など特約がつけられていることが多いです。トラブルを避けるため、具体金額が明示されていることもあるのでチェックしておきましょう。
特約がない場合は、東京都の「賃貸住宅紛争防止条例」、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の内容が基本となります。
入居時のトラブルや、退去予告を送る場合の連絡先です。不動産会社のこともあれば、オーナーさんが直接管理をされる物件もあります。
お部屋を仲介した会社、契約を行った会社とは異なる場合もあります。確認を!
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田村美葉
田村美葉
グッドルーム・ジャーナル編集部所属。エスカレーターマニアというちょっと変わった肩書きを持っていますが、インテリアやリノベーションが大好きです。グッドルーム・ジャーナルの取材を通じて、いつもたくさんのアイディアを教えてもらってます。